大学生が気になったまとめ(旧 雑談ウィズ)

twitterで話題になって気になった事を中心にまとめて記事にしています。

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バックストーリー

      

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2014-10-01-16-05-52

天界の聖王であるミカエラ・セラフィムと、魔界の覇者であるイザーク・セラフィムが双子の姉弟であるという事は余りに有名過ぎる事実であろう。
しかしながら、彼らが天界・魔界を治めるに至った、それ以前の二人については、あまり語られる機会が無い。

ある一説によれば、ミカエラの父王は階級、とりわけ主従の関係については絶対に覆るべきでないという考えを持っていた。
そして、相手と対等の立場に立ちさえすれば、交渉できないことなどない、という教えを説いていた。

この当時、天界は神界に存在する様々な異界のうちのひとつであり、そんな中、争うこと無く均衡を保つためには、「維持」そして「秩序」が肝要であると先王は解悟していたのである。説によれば、先王は後に続くミカエラ、そしてイザークにもそれを守るよう誓いを立てさせたとか。

ミカエラとイザークは、先王から寵愛を持って育てられた。
技量や力の優劣はあれど、先王が固執したとされる先述した主従や階級に於いて、二人は完全に対等の立場にいたのである。
これについては聖典に記録もあり、信頼できる情報であろう。

しかしながら、均衡を守る天秤とて、やがてはゆらぐ。
秩序の対義語に混乱があるように、平和に守られた天界は混乱の最中へと落ちていくこととなる。
無論、この姉弟も。

事件は唐突に起こる。
天界にて先王が崩御した際、次期聖王の座を継承したのはミカエラであった。イザークとミカエラの間に隔たりが生まれた瞬間であり、もう一人の継承者であったイザークは絶望のあまり堕天し、結果的に力が支配する世界「魔界」にて王となったとされている。

これまで一切疑われることのなかった、叙事詩に書かれた歴史である。だが、誰もが長きにわたって信じているこの文献に、私は一石を投じたい。
叙事詩の中や文献中では粗暴な面が目立つイザークであるが、こういう仮説を立てることもできる。

仮に、先王の教えをイザークが深くまで理解していたとするならば。
先王が存命の時代、天界は神界に存在する様々な異界のうちのひとつであった。その中で争うこと無く均衡を保つためには、対等の立場に立つことが肝要である。先王はそう二人に説いていた。
イザークが聖王となった姉と、「争うこと無く均衡を保つ」ために、そして「対等の立場に立つために」魔界を治めたとするならば。

堕天という大罪を犯してまで、真に争いを諌めようとしたのは、イザークなのではないか?

……まだこの説については推論の域を出ていないが、謎めいた天界の歴史を紐解くには非常に有用な手がかりである。
だが、この続きについては、また別の機会にするとしよう。

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2014-09-19-16-01-17


クリネア・マキアは天界の巫女であり、最も信頼に値する天使だと言ってもよいだろう。

天界を治める若き姫王、ミカエラ・セラフィムが【陽】ならば、クリネアは【陰】である。
ミカエラが邪悪な者に対してはその杖により一切の容赦がないのに対し、クリネアは何の武器も持たずに『説得』し、まず諌めることに執心した。

そのことから、彼女を『静寂を司る巫女天使』と呼ぶものも多い。

悠久の天界の歴史の中に、こんな出来事の記録がある。
異界より巨大な龍の兄弟が迷い込み喧嘩を始めたのだ。
その喧嘩は7日間続いた後も収まる気配はなく――
これにより宮殿は壊滅的な被害に遭い、天界の精霊たちは頭を抱えてしまった。
ついに天界の聖王であるミカエラが事の鎮静化に乗り出すこととなった。
彼女はその能力をいかんなく発揮し、力で鎮めようとした……
だが、それを受けて龍たちはさらに荒れ狂い、争いは以前にも増して酷いものとなってしまったとか。

次に龍の前に遣わされたのは『静寂の巫女天使』であるクリネアだった。

二匹の前に現れたクリネアは、ただ一言、こう尋ねた。
「なぜ争うの?」
荒れ狂う龍に対し、優しく声を掛けると、暴れていた二匹の龍は、ぴたりと兄弟喧嘩を止めたという。思い返せば些細なことで、その理由さえも二匹の龍は既に忘れてしまっていたのだ。
その後、クリネアは、二匹の傷ついた躰を癒すと、龍は、それまで暴れていたのが嘘であるかのように大人しく素直になった。
それどころか、壊滅した宮殿や民家を元通りに直し、帰る際には今までの過ちを詫び、深々と頭を下げて飛び去っていったという。

この一件以来、クリネアはミカエラや精霊たちから信頼を得、天界での地位を確立したのである。

だが、そんな彼女でさえ、感情を露わにし憤慨した事件があったという。
それはまた別の機会にすることにしよう…
” 【黒ウィズ】クリネアのバックストーリー ”の続きを読む

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2014-09-18-16-20-13

「こんな退屈な勉強なんてやっていられるか!」


賢界で幼くして賢王の地位に就いた活発な男の子、ユペール・ポルテは、宮殿の窓から逃げ出した。


「帝王学の勉強なんかよりも、下界を探索するほうが断然面白いもんねッ!」


何事にも好奇心旺盛なユペールは、臣下が引き止めるのも聞かず、森の中へと駈けていく。





「ユペール様もお父様がお亡くなりになり、気持ちが不安定になっておられるのだろう」


「あれほど溺愛されていたから仕方ないのかもしれないなあ……」


臣下たちからそんな同情の声さえ上がっていた。





ユペールが勉強をエスケイプして必ず訪れる場所――そこは亡き父の墓前だった。


「どうして死んじゃったの? ……パパ……」


そしてここで亡き父と語らいだ後、森の中で小動物たちと戯れるのを常としていた。


「お前たちはどこにも行かないよな?」


森の小動物たちはユペールの言葉に首を傾げていた。





ある日、遊び過ぎて森の奥まで来てしまったユペールは道に迷ってしまったことに気付いた。


「どうしよう? ……ん?」


ユペールの目の前には、得体のしれない【輝く物体】が浮かんでいるではないか!?


「あ、あれは?」


近づくと、それは金色に光り輝く十字架の付いた【杖】であった。


それを手に取ると、ユペールは体の中に力が漲っていくのを感じた。





森の奥で一晩の宿を借りたユペールは、その家の主人が病気で寝たきりであるということを知った。


心優しきユペールは、主人の患部を杖でかざしてみる……


するとどうだろう? ……数年間、寝たきりだったという主人は、まるで何ともなかったかのように立ち上がったのだ。


この噂は瞬く間に賢界中に広まった。





そして不思議なことに人々を癒す力は、ユペール自身の内面をも変えていった。


あれほどまで嫌っていた帝王学の勉強さえ自ら進んで受けるようになり、決して窓から逃げ出すようなことはなくなったのだ。


そしてユペールの脳裏にあることが閃いた。


「この力を使えば……ひょっとして……!」


【ホーリー・ワンド】と名付けられた杖を握りユペールが向かった先は、父の眠る墓の前だった。

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2014-09-17-17-03-30


十字剣を握った女剣士 プラーミャは、古城に住む姫を壁際まで追い込んだ。
「どうして私を......」
姫はか細く震える声で尋ねた。
「そんな芝居などしなくてもよい」
「?」
「すでに貴様の素性は調べ上げている」
そう言ってプラーミャは、懐から紙切れを出し示した。
「そ、それは......吸血鬼殲滅許可証!......」
「悪く思わんでくれ......これも仕事だからな」
追い詰められた姫の口からは突然牙が伸び、それまでの愛らしき面影はどこかに消え去ってしまった。
プラーミャの持つ十字剣は、妖しい青い光を点滅し始める。
十字剣は吸血鬼を斬るために製造された特殊な剣だ。
それが吸血鬼の血を嗅ぎ取り興奮気味に呼応している。
「ついに本性を現したな!」
金切り声を上げながら襲い掛かる吸血鬼は、鉤爪を突き出し最後の抵抗を見せた。
が、プラーミャに掴み掛るよりも早く、目の前に眩い閃光が走る。
「ぎゃああああ!!!」
吸血鬼は木の葉のように床に崩れ落ちた。
「今宵の十字剣は良く斬れる......」
血で赤く染まった十字剣を鞘に納めようとした彼女は、ふと立ち止まり、足元の姫に目 を遣った。 いや、見返したのは姫というより、姫の体から流れる『液体』を見つめたと言ったほう が正しいかもしれない。
突如、苦しみだしたプラーミャは、内なる欲望に抗えず、姫の前に跪く。
そして抱き起こした姫の首筋に唇を這わせた。

「そ、そんな......吸血鬼殲滅部隊である、この私が......」

職務へのプライドにより、かろうじて衝動を抑え込むことができた。
だがそれがいつまで持つか判らない。
そんなことが頭を過りながら、プラーミャは逃げるようにその場を後にした。 ” 【黒ウィズ】プラーミャのバックストーリー ”の続きを読む

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団長のドサマワリ様から、今回ゲティンなんとか城の”こうじょうせん”に助っ人としてよばれました、ヴィクトリア・ネルドです。
 ドサマワリさんは『スコーンとビスケット1ねんぶん(ジャムつき)』をくれるらしいので、よろこんでおしごとお受けいたします。
 日の出とともにカイダンフキン様のあたりへ飛んでいきます。場所を大きくあけておまちください。

 ヴィクトリア・ネルド」


……そう書かれた壮絶に汚い字の手紙を握りしめ、傭兵団「アイアンスキン」の団長「ドラガマリ」は、力ない瞳で「ゲティングス城」を見つめていた。
「……今、昼だよな」
「……そうっすね、団長」
最強の傭兵と噂されるヴィクトリアは、何故か「お菓子の量」で依頼をうける世にも珍しい傭兵だった。
難攻不落と呼ばれたゲティングス城を落とすため、アイアンスキンの構成員たちは全財産をはたいてスコーンとビスケットとジャムを購入していたのだ。

だが、ヴィクトリアは現れない。城の周辺には一騎当千と噂されるゲティングス騎士団の連中が、アイアンスキンたちの襲撃を察知し陣形を組み終わっている。

「終わった……この戦争完全に終わった……」

ドラガマリは太陽を見つめる。大粒の涙が頬を伝い、伸びっぱなしのヒゲに染み込んだ。
「団長……ッ!」
悲しみにくれる歴戦の男の背中に、団員たちはもらい泣く。生涯最後の金の使い道がスコーンとビスケットとジャムというのも、さらに彼らの虚しさを加速させた。
視界の端では、ゲティングス騎士団が彼らに向かって行進を始めている。
絶望が波となって押し寄せ、アイアンスキンの全員が死を覚悟した、その時だった。

「遅れてすみませーーーーん!!!!」

可愛らしいその声とともに、ゲティングス城の上空を、小さい「何か」が凄まじい早さで通過した。まるで彗星のように尾を引いて飛ぶ、その黄色い「何か」は、円すい状の雲を残してその場から消える。
一瞬遅れて、ゲティングス城とゲティングス騎士団は見えない何かに吹き飛ばされ、ものの見事に瓦礫の山と化した。
これにて戦争終了である。

「……は?」

「おまたせしましたぁ! ヴィクトリア・ネルド、ただいま参着ですー!」

最強の傭兵がポーズを決め、ぽかんとクチをあけたドラガマリに対して挨拶をすると、アイアンスキンの構成員たちは無言かつ凄まじい早さでお菓子類を彼女の前に献上した。

「わぁ! ほうしゅうですね! もうもらっていいんですか!?」
「はい」
「ありがとうございますー! あっ、イチゴのジャムだ! つけてもいいですかー?」
「はい」
「やったー! ヴィクトリアはイチゴのジャムが大好きなんですよ! ドサマワリさんは気がききますね!」
「そうですか、ありがとうございます」

ドラガマリの返事を受け、ヴィクトリアはその場でむしゃむしゃとお菓子を食べ始める。
傭兵をやめよう。ドラガマリはこの時そう思ったという。 ” 【黒ウィズ】ネルドのバックストーリー ”の続きを読む

      

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